事実婚について。
私と旦那は事実婚をしています。
付き合いは12年以上、結婚してもうすぐ4年。
事実婚というものの実態が世の中であまり知られていないにも関わらず、法律婚じゃないと駄目だと度々批判されることがあると感じていました。そして、「事実婚ってどうなの?」と聞かれることも多いです。
なので事実婚について感じたことを書いてみようと思います。
事実婚と法律婚の違いについては、私が語るよりも法律の専門家さんの発言を参考にされたほうがわかりやすいかと思うのでそちらを探して見て下さい。
まず、なぜ私達が事実婚に至ったか。それは私達には法律婚よりも事実婚の方が合っていたという理由が大きいです。
事実婚は婚姻届を出さない。役所に転入届けを出す際、事実婚の手続きもします。お互いに婚姻関係を結んでいる相手が既に居ないことを確認して貰い、晴れて事実婚の登録をして貰えます。
ここで事実婚を否定する人とした会話を挙げます。
私「事実婚に反対されているようですが事実婚と法律婚の違い分かっていらっしゃいますか?事実婚がどういう制度かご存知ですか?」
事実婚反対派の人「分かりません。」
全員がこうでした。
分かっていないのに否定されても納得出来なくないですか?こっちは熟考した上で事実婚を選んだのに。
ということで私が事実婚を選んだ理由を挙げます。事実婚と法律婚のメリット・デメリットは夫婦間によってかなり違うのであくまで一例として読んで下さい。
1、キャリア
私は学術的な仕事もしています。
ここで弊害になってくるのが「名字が変わったら同一人物の実績とみなされずキャリアが0からリスタートになる場合がある。」ということです。
旧姓で論文を書くことを許してくれている学会もあるが、これは学会によりけりです。しかも、方針などすぐ変わります。昨年まで「旧姓OK」だったのに今年から「本名のみ」になる場合だって考えられます。
ピンときていない方は「名字が変わったくらいで。」と思われているかもしれません。
では例え話を1つ。22歳で就職し、32歳で結婚して名字が変わったと仮定します。
名字が変わった途端同一人物とみなされなくなる為、それまでに積んだキャリアが無かったっものとされます。10年かけてした昇給が無かったことになり、新卒の頃と同じお給料に戻るようなものです。
無論、これは所属している学会や業界や会社のさじ加減に寄るので、そうなるとは言い切れません。少なくとも私の所属では残念なことに他人が名字を変えることに柔軟でない方々が居ます。
2、相続
法律婚において、相続は切っても切れない問題かと思います。
寧ろ法律婚される方で結婚前に相続について話し合いをされない方が不思議でなりません。
私は家族が亡くなった時、急逝だった為相続がとても大変でした。
銀行1件1件何日も掛けて巡ったり、車を相続しない意思を示すにも直接家族に会ってサインが必要だったり。
大変なので自分が誰の資産の相続人なのか?また自分に何かあった場合誰に何を相続させるのか?結婚前にはっきりさせておいたほうがいいという考え方をしています。
私達は現状では相続の点において実家に籍があった方が良いので、事実婚が合っていました。
3、パートナーシップ制度
インターネット上で見る解説では大切なことが抜けていたりする為、細かいことは法律家さんに聞くと良いでしょう。
近年色々な自治体が取り入れ始めたパートナーシップ制度と事実婚を組み合わせることで、事実婚のデメリットを無かったことに出来ることがあるんです。
デメリットは夫婦によって違うので、一例として読んで下さい。(2回目)
例えば、思想や病気により出産予定が無い夫婦、また子供が成人してかつ新しく子供を授かる予定の無い夫婦は事実婚の方がメリットが大きいと仰る弁護士さんもいらっしゃいます。
では子供を授かる予定のある夫婦はどうなのか?
事実婚の場合、妻と夫は赤の他人とみなされる為、出産の際分娩室に入れないことがあります。ざっくり言ってしまえば夫と妻を一心同体とみなすのが法律婚です。だから法律婚している夫が妻の出産に立ち会うのは認められているのです。
ここで、パートナーシップ制度を活用すると出産に夫が立ち会えることがあるのです。「ことがある。」という表記であるのは、パートナーシップ制度により受けられる恩恵は自治体によって異なるため、一概にそうだと言い切れないためです。
他にも家族割引、生命保険の受取人に指定出来る、等のメリットも上げられます。
ざっくりした理由を挙げるとこんなところでしょうか。
事実婚だと扶養に入れないのでは?と聞かれることが度々あります。
社会保険上は扶養に入れます。
私も旦那も由緒正しい家の人間なのに事実婚なんて、と難癖つける人も居ます。
旦那の家の歴史に比べれば、明治以降に発足した法律婚の歴史は浅いです。
家の由緒を言うなれば事実婚より寧ろ法律婚ではない時代の方が長くなってしまう為、家の歴史は事実婚を否定する理由にはできません。
私は法律婚において1番大変なことは相続だと思っています。
例えば私が事実婚を否定されたから法律婚に変えたところで、私に事実婚をやめて法律婚するように言った人に利益があるわけでも迷惑が掛かるわけでもありません。
その方が私達の相続税を出してくれるわけでもありません。
迷惑が掛かるわけでもない、相続税を出してくれるわけでも無い人に否定されたからと言って法律婚に変えなければならないのは何故でしょう?
今後、家族や親族の人の動きで立ち位置が変わることも考えられます。
その時は状況に合わせて法律婚するかもしれません。
法律も制度も価値観もぐんぐん変わるこの世の中を生きるに当たって、柔軟に対応することが社会に適応して生きやすくするコツだと思います。家庭環境が複雑だったりと法律婚だと都合が悪い点がある方は、事実婚を視野に入れると良いかもしれません。
他人に流されずにその時その時において良い状態を選択できると良いですね。